リスク管理 ウォームアップとクールダウン 運動療法を開始あるいは終了する際の、ウォームアップとクールダウンの重要性についてまとめてみたい。 筆者は、主に心臓リハビリテーションに従事していることから、このような知識は臨床上、リスク管理をする意味において非常に重要であると考えている。 【ウォームアップ】 ・身体を安静から運動へ移行させる準備段階であり、骨格筋を収縮... 2024-03-07
サルコペニア ウレミックサルコペニアについて 本稿では、慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)に伴う『ウレミックサルコペニア』について、その概念や病態メカニズムを解説する。 ウレミックサルコペニアとは、CKDの進行によって起こる尿毒症(uremia)が原因で発症するサルコペニアのことである。 尿毒症は、「末期腎不全(end-stage ... 2024-02-29
リスク管理 心不全診療に関する血中BNPとNT-proBNP値が改訂されました 本稿では、2023年10月に日本心不全学会から発表された『血中BNPやNT-proBNPを用いた心不全診療に関するステートメント2023年改訂版』について、解説させていただこうと思う。 この度のステートメントの主な変更点は、1)BNP/NT-proBNPのカットオフ値、2)BNP/NT-proBNPを用いた心不全管理の... 2023-12-31
リスク管理 呼吸筋トレーニングについて 呼吸筋トレーニング(Inspiratory Muscle Training:IMT)は、呼吸リハビリテーションにおいて、全身持久力トレーニングと併用するとより効果的であるとされ、以前から実施されていた。 近年では、心不全患者に対するIMTの有効性が注目されている。 心不全患者では、約30~50%に呼吸筋力低下が合併する... 2023-09-29
内科疾患 透析中の運動療法 令和4年度診療報酬改定にて、重症化予防への取組の推進として『透析中の運動指導に係る評価の新設』が発表された。 その内容は、「人工腎臓を算定している患者に対して、透析中に当該患者の病状及び療養環境等を踏まえた療養上必要な訓練等を行った場合の評価を新設する」とされる。 対象患者は、人工腎臓を実施している患者であり、透析時運... 2022-12-05
リスク管理 下肢動脈疾患について 末梢動脈疾患(Peripheral arterial disease:PAD)、下肢動脈疾患(Lower extremity arterial disease:LEAD)、閉塞性動脈硬化症(ASO)、これらの用語について、すべてほぼ同義語で用いている場合があるかと思われる。 PADは、動脈硬化性疾患のうち大動脈疾患と冠... 2022-08-19
リスク管理 起立性低血圧について 起立性低血圧とは、臥位から立位になった際に、収縮期血圧(SBP)が20mmHg以上または拡張期血圧(DBP)が10mmHg以上低下する場合のことをいう。 臨床では患者が臥位から起き上がった際に、「めまい(立ちくらみ)がする」や「ふらふらする」といった訴えがあるときにそうであることが多い。 また高齢者では、食後に一過性に... 2022-07-06
循環器 不整脈とは...? 不整脈とは、正常洞調律以外のすべての調律異常のことをいう。 正常洞調律とは、以下の条件をすべて含むものである。 ・洞房結節が歩調とり(ペースメーカ)になっている調律(P波が必ず存在する) ・P波とQRS波は常に1:1である ・P波は、Ⅰ、Ⅱ、aVFで陽性、aVRで陰性 ・P波(R波)の頻度(心拍数)は、成人安静時では6... 2022-06-12
循環器 起座呼吸と発作性夜間呼吸困難 心不全が進行すると、起座呼吸や発作性夜間呼吸困難といった症状がみられるようになる。 起座呼吸、発作性夜間呼吸困難ともに、心不全のうち『左心不全』における肺うっ血症状に含まれる。 特に、発作性夜間呼吸困難は心不全増悪の基本的なサインといわれ、この症状を認めれば心不全の発症で間違いないとされる。 起座呼吸とは、(背)臥位に... 2022-05-27
循環器 ボルグスケールについて 循環器疾患領域の運動療法中によく使用される旧Borg Scale(以下、ボルグスケール)(表)について概説する。 ボルグスケールは、自覚的運動強度(rate of perceived exertion:RPE)の代表であり、運動中に感じる自覚的な感覚を主観的に評価できるように開発されたツールである。 特徴としては、数量... 2022-02-16