疼痛 なるべくシンプルに腰痛について考えてみる 本稿ではなるべくシンプルに腰痛について考えるための捉え方をまとめてみる。 多裂筋が、椎間板が、椎間関節が、カップリングモーションが、など、細かく見ようと思えばどれだけでも細かく見ることはできるが、思考が複雑化しすぎると、目的が曖昧になってしまい、結果あまり良くならないことも多々ある。 なので、まずはなるべく思考をシンプ... 2024-04-29
疼痛 腱板損傷の基礎知識 腱板断裂の評価や治療するにあたり知っておきたい基礎知識を解説する。 ●腱板損傷の概要 腱板の損傷・断裂が生じる基盤には、加齢による腱板の変性がある。 腱板断裂は完全断裂と部分断裂に分類される。 一般的に完全断裂時には手術が推奨され、部分断裂は保存療法が選択されることが多い。 また、40 歳以上では自覚症状に乏しいにも... 2024-03-29
動作分析 膝OAの運動学から臨床で何を考えるかについて 理学療法ガイドラインに記載されている下肢の運動学的・運動力学的変化の項目から変形性膝関節症(以下膝OA)を考えてみようと思う。 両側膝OAでは健常者の歩行動作と比較して、立脚期の間に明らかに骨盤の前傾、遊脚側への骨盤傾斜、膝関節外反の減少が認められたとされ、重度膝OAでは股関節外転、膝関節伸展、足関節底背屈角度が大きか... 2024-02-01
動作分析 良い姿勢、悪い姿勢の基準とは? 皆様は自分の姿勢が良いか悪いか、普段から気にしているだろうか? そもそも、良い姿勢とは何だろうか? 一般的に言う良い姿勢が、必ずしも動作においても良いかと言うとそうではない。 ここで言う良い・良くないというのは、見た目のこともあるが、機能的に良いか悪いかという視点も含む。 良いか悪いかを決めるには、指標となる機能を基準... 2023-12-31
解剖学 肩関節 関節唇損傷について ●肩関節 関節唇損傷とは 肩関節は上腕骨の骨頭と肩甲骨の関節窩で構成されている。 関節窩の面積は骨頭の25%~40%しかないため可動域という利点と不安定性という不利を有している。 そのため、関節窩の辺縁に付着する軟骨である関節唇が、接触面積を広げ、かつ、関節を深くすることで肩関節の安定化させている。 関節唇は前上方、後... 2023-10-02
疼痛 肩石灰沈着性腱炎について 肩関節周囲炎の患者の中には疼痛が強く、運動制限が数か月続く人がいる。 そのような方に多い疾患の一つに肩関節石灰沈着性腱板炎がある。 石灰沈着性腱板炎は40代から50代の女性に好発することが多い。 石灰が沈着する部位は棘上筋がほとんどを占めている。 急性期の患者の特徴として以下のようなものがある。 激しい夜間痛 安静時痛... 2023-07-31
動作分析 片脚立位から何が分かる? 今回は片脚立位について述べたいと思う。 片脚立位は機器なども要らず手軽な評価であることから行っておられる先生方も多いのではないかと思う。 では片脚立位とは何を評価しているのだろうか? 片脚立位時の身体の反応、バランスの取り方などを評価するのも重要となる。 しかし、身体の反応、バランスの取り方などはあまり客観性がない。 ... 2023-06-30
解剖学 肩関節周囲炎の好発部位である腱板疎部について 肩関節周囲炎や肩関節外傷が生じた場合、疼痛の原因となる好発部位に腱板疎部がある。 腱板疎部とは烏口上腕靱帯や上関節上腕靱帯などから構成される空間で腱板が被覆していないのが特徴である(図1)。 腱板疎部には肩関節の前方関節包や関節上腕靭帯が存在している。 投球動作などの肩関節の急激な外旋動作や、加齢に伴う前方関節包や関節... 2023-06-01
解剖学 烏口上腕靭帯について 肩関節周囲炎や肩関節の術後などでは、肩関節外旋可動域制限が必発する。 肩関節外旋可動域制限は肩関節外転を阻害し、更衣動作などを著しく阻害する。 そのため、臨床では肩関節外旋可動域制限の改善は極めて重要である。 肩関節外旋制限の要因は以下のようなものが考えられる。 ●1stポジション ・靭帯 烏口上腕靭帯 上関節上腕靭帯... 2023-04-30
疼痛 変形性股関節症の鼠径部の痛み 変形性股関節症の患者では大腿骨頭が前方へ偏位していることが多い。 これは大腿骨頭と臼蓋の不安性を代償するために、股関節内旋、屈曲させ、臼蓋と大腿骨の被覆を高めた結果、大殿筋や梨状筋の緊張が増加し、股関節内旋時に大腿骨頭が前方に押し出されるためである。 大腿骨頭が前方に変位すると、前方に位置する関節包・腸骨大腿靭帯・恥骨... 2023-03-26