高齢者に筋力トレーニングは必要である

高齢者でも適切な負荷の筋力トレーニングを継続することで、筋力増強の効果が得られることは様々な論文で報告されている。

筋力トレーニングでは高負荷・低回数を行うことで筋力の増加が期待できる。

しかし、高齢者では、関節や筋が若年者より脆弱化しており高負荷トレーニングは高リスクとなる。

したがって、高齢者の筋力トレーニングでは、運動強度の調整が必要である。

また、低負荷すぎても筋力トレーニングの効果は低くなる。

ある程度の負荷とは、本人にとって「少ししんどい」「ややしんどい」が該当する。

自分の体重を負荷とする「自重トレーニング」や動きをゆっくりと行うスロートレーニングでも効果があると報告されている。

高齢者の筋量トレーニングでは抗重力筋へのアプローチが重要である。

抗重力筋の筋力低下、筋肉量の減少が著明となるため、小筋群ではなく大筋群の体幹筋・膝伸筋群・臀筋群などのトレーニングを優先的に行うことが重要である。

抗重力筋を維持することができれば座位、立位、歩行の姿勢が安定し、耐久性も維持、向上が可能となる

筋力トレーニングと疾患予防

筋力トレーニングにより、筋肉量を増やすことができれば基礎代謝を増やすことが可能となる。

基礎代謝が増加すると血糖値、血圧値、中性脂肪値を低下しやすくなる。

また、筋量が増加し、体脂肪が低下するとインスリン抵抗性が改善し、インスリンが効きやすくなってより高血糖の防止が可能となる。す。

つまり、筋力トレーニングはADLを改善させるだけでなく、疾病予防にも絶大な効果を生むと言える。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
あずま整形外科リハビリテーションクリニック
茂澤メディカルクリニック
たでいけ至福の園
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授

過去に3つの鍼灸院の経営や運営に携わり、鍼灸師によるリハビリテーションサービスを展開していた。また、デーサービスも立ち上げ、鍼灸師・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師による機能訓練やリハビリテーションを利用者に提供していた。鍼灸師・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師の方々への教育や指導経験が豊富である。現在も、全国各地でリハビリテーションに関するセミナー講師として活動している。

鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師向けセミナー

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