オーラルフレイルとは何か?

鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師の方々がみている患者の中で、以下の項目に該当するような方はいるであろうか。

・食事中よくむせる、食べこぼす
・食欲がない、少ししか食べられない
・柔らかいものばかり食べる
・滑舌が悪い、舌が回らない
・口の中が渇く、口臭が気になる
・歯が少ない、あごの力が劣ってきた

これらの項目に該当するようであれば、「オーラルフレイル」といった状態の可能性が高い。「オーラルフレイル」とは、「口腔の虚弱」と訳すことができる状態である。

すなわち、口腔機能の低下や食べる機能の低下、歯数の減少、口腔不衛生といった口の周囲の様々な機能障害を含んでいる概念である。

例えば、滑舌が悪く、舌が回らない、口臭が気になる状態では、人目が気になり他者とのコミュニケーションが減り、徐々に社会的に孤立していく。

あるいは、食欲がない、少ししか食べない、柔らかいものばかり食べる状態では、咀嚼・嚥下機能低下を招き栄養バランスが悪くなり低栄養に陥ってしまう。

低栄養の状態が長く続くと、やがて骨格筋量が減少し、筋力が低下し身体的な機能障害を呈するようになる。

このように、口腔の健康が低下することから運動器疾患を招く可能性が十分にある。

特に高齢者ではその傾向が強くみられる。

したがって、四肢の機能障害はもとより、口腔機能にも着目して患者をみてみるもの大事なことである。

筆者自身がこのような高齢者に対しみたり聞いたりするポイントとしては、歯数や歯磨きの回数、食事内容、口臭、滑舌の良さ、側頭筋(こめかみの横にある筋肉で咀嚼筋のひとつ)の筋萎縮などである。

ぜひ参考にしてみていただければと思う。

投稿者
井上拓也

・理学療法士
・認定理学療法士(循環)
・3学会合同呼吸療法認定士
・心臓リハビリテーション指導
・サルコペニア・フレイル指導士

理学療法士免許を取得後、総合病院にて運動器疾患や中枢神経疾患、訪問リハビリテーション等に関わってきました。すべての患者さんのために、障害された機能の改善やADLの向上に励んできました。特に運動器疾患においては、痛みの改善や関節可動域の改善、筋力向上を目的とした理学療法にて、患者さんのADLの向上を図ってきました。

今までの経験を活かして、皆様のお役に立てるように励んで参ります。

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