理学療法評価 形態測定(下肢長)について 本稿では、理学療法評価の1つである形態測定のうち『下肢長』について、その目的や脚長差が生じている際の基本的な解釈(原因部位や疾患)を解説する。 下肢長を測定する目的は、①左右の下肢長の比較、②骨折の有無や転移・偽関節の有無、③股関節・膝関節の拘縮・変形の有無、④股関節脱臼やペルテス病などによる脚長差などの身体情報を得る... 2023-08-28
疼痛 肩石灰沈着性腱炎について 肩関節周囲炎の患者の中には疼痛が強く、運動制限が数か月続く人がいる。 そのような方に多い疾患の一つに肩関節石灰沈着性腱板炎がある。 石灰沈着性腱板炎は40代から50代の女性に好発することが多い。 石灰が沈着する部位は棘上筋がほとんどを占めている。 急性期の患者の特徴として以下のようなものがある。 激しい夜間痛 安静時痛... 2023-07-31
内科疾患 バスキュラーアクセスの種類 血液透析(hemodialysis:HD)を行う上で欠かすことのできないバスキュラーアクセス(Vascular access、以下VA)には、「自己血管内シャント」、「人工血管内シャント」、「動脈表在化」、「カフ型カテーテル」の4種類がある。 前2者のことを内シャント(「透析シャント」ともいう、また臨床では単に「シャン... 2023-07-28
転倒 "転倒"についてこれだけは知っておきたい基礎の基礎 高齢者にとって転倒は、一般的な現象であり、しばしば深刻な結果を招くことがある。 これには、怪我、機能低下、生活の質の低下、そして死につながる可能性がある。 転倒のリスクは、多くの要素によって影響を受ける。 これらの要素は身体的特性、心理的要素、薬物の使用、そして生活環境といった多面的な要素から成り立っている。 具体的に... 2023-07-28
安全管理 通所介護・通所リハビリテーションの利用者の送迎のポイント 通所介護・通所リハビリテーションにおける送迎と記録は運営上、極めて重要なものです。 名前の通り、利用者に通所をしてもらうことでサービス提供が可能となりますので、自宅から通所事業所までの送迎が原則的に必須のサービスとなります。 質の高い送迎ができなければ、利用者からのクレームや現場スタッフの業務負担増加などに発展し、通所... 2023-07-04
動作分析 片脚立位から何が分かる? 今回は片脚立位について述べたいと思う。 片脚立位は機器なども要らず手軽な評価であることから行っておられる先生方も多いのではないかと思う。 では片脚立位とは何を評価しているのだろうか? 片脚立位時の身体の反応、バランスの取り方などを評価するのも重要となる。 しかし、身体の反応、バランスの取り方などはあまり客観性がない。 ... 2023-06-30
リスク管理 バスキュラーアクセスについて 血液透析を実施する上で、欠かすことのできない『バスキュラーアクセス』(主に、内シャント)(図)について解説する。 血液透析は、腎機能が著しく低下した方の身体から、血液を体外に取り出し(脱血)、浄化させ(透析を行い)、再び体内に血液を戻す(返血)治療法である。 その血液透析を安全かつ有効に行うために、手術にて静脈と動脈を... 2023-06-06
解剖学 肩関節周囲炎の好発部位である腱板疎部について 肩関節周囲炎や肩関節外傷が生じた場合、疼痛の原因となる好発部位に腱板疎部がある。 腱板疎部とは烏口上腕靱帯や上関節上腕靱帯などから構成される空間で腱板が被覆していないのが特徴である(図1)。 腱板疎部には肩関節の前方関節包や関節上腕靭帯が存在している。 投球動作などの肩関節の急激な外旋動作や、加齢に伴う前方関節包や関節... 2023-06-01
転倒 歩行自立の判断を明確にするために必要な知覚・認知情報処理とは? 皆さんは患者様の歩行自立への判断で悩んだことはないだろうか? 特に働き始めた頃には悩むことが多いかと思う。 「訓練中は一人で歩行できるにもかかわらず、病棟内の移動は見守りレベルのままだ」 「だいぶ歩けるようになってきたけど、歩行自立へとADLをアップしても転倒しないだろうか?」 「本当に安全に病棟内の移動が可能だろうか... 2023-06-01
内科疾患 肝臓リハビリテーションについて 2023年年4月28日に一般社団法人 日本肝臓学会(https://www.jsh.or.jp/medical/)において‘‘肝臓リハビリテーション’‘の指針が公開された。 その内容を大まかに要約すると、 1.肝臓リハビリテーション(以下、肝臓リハ)の定義 2.肝臓リハの対象疾患 3.各疾患に対する運動療法の内容 など... 2023-05-16