疼痛 高齢者を悩ます脊柱管狭窄症とその対処法 脊柱管狭窄症とは、脊柱管が狭くなる整形疾患である。 50歳代から徐々に増え始め、60~70歳代が好発年齢である。 高齢者の10人に1人は腰部脊柱管狭窄症であり、推定患者数は約580万人と言われている。 腰部脊柱管狭窄症は筋膜性腰痛と異なり、症状が多彩でQOLの低下をきたしやすく、高齢者や家族を悩ませる要因になりやすい。... 2024-07-31
筋力トレーニング 座位姿勢において体幹機能を高めるためのポイント 体幹機能は歩行、起立、リーチ動作など、各種動作において重要な機能なのは言うまでもない。 また、体幹機能が土台となって、上肢のリーチや下肢の振り出しなど、上下肢の筋出力が発揮されるため、体幹機能が機能的に働くことは必須である。 そんな重要な体幹機能を座位から高めるための介入方法を今日は考えてみる。 まず、座位のメリットと... 2024-06-30
リスク管理 心房細動について 心房細動(atrial fibrillation:AF)は、高齢者を対象とした臨床場面で最もよく遭遇する不整脈であろう。 持続性の不整脈としては、不整脈の中で最も多く、絶対性不整脈ともいわれる。 本邦におけるAF患者数は、約90~100万人と推定されており、その有病率は年齢とともに上昇することで知られる。 AFの診断は... 2024-06-25
解剖学 変形性股関節症の原因と初期症状 変形性股関節症は臼蓋の形態学的な不適合や形成不全などが股関節の不安定性を引き起こし,周囲の関節滑膜や関節包に対して物理的炎症を起こすことで生じると考えられる。 臼蓋形成不全は股関節の臼蓋の形成が不十分で浅いことにより、大腿骨頭を十分に覆うことができない病態である。 先天的要因が多いが、一部は後天的な要因で生じると言われ... 2024-06-25
運動学 足関節内側捻挫とは 足関節内側捻挫とは、足首を内側にひねること(足関節外反)で起こる靭帯損傷である。 多くの症例では三角靭帯を損傷する(図1)。 三角靭帯は、3つの異なる部分で構成されている。 この靭帯は3つの表在繊維の扇状の基部となって三角靭帯の頂点は内果に付着している。 三角靭帯の主要な機能は距腿関節、距骨下関節、距舟関節による外返し... 2024-05-31
ADL トイレ動作について 私たちセラピストは「できるADL」を「しているADL」に変えていくことが目的の一つである。その目的を達成するためにはADLをどのように分析していくのかということが重要になる。 今回は「トイレ動作」について分析していこうと思う。 ●トイレ動作の重要性 私はADLの中でも特にトイレ動作を重視している。 なぜならば、ADLの... 2024-05-26
内科疾患 糖尿病診療ガイドライン2024 つい先日、一般社団法人 日本糖尿病学会から『糖尿病診療ガイドライン2024』(以下、改訂版)が刊行された。 前版の『糖尿病診療ガイドライン2019』から約5年の月日を経ていたので、その内容には個人的に非常に楽しみであった。 そのため本稿では、筆者自身が私見で気になった内容(糖尿病の診断基準と運動療法)について紹介してい... 2024-05-26
疼痛 なるべくシンプルに腰痛について考えてみる 本稿ではなるべくシンプルに腰痛について考えるための捉え方をまとめてみる。 多裂筋が、椎間板が、椎間関節が、カップリングモーションが、など、細かく見ようと思えばどれだけでも細かく見ることはできるが、思考が複雑化しすぎると、目的が曖昧になってしまい、結果あまり良くならないことも多々ある。 なので、まずはなるべく思考をシンプ... 2024-04-29
疼痛 ヒアルロン酸について 肩関節疾患の臨床にて患者より「肩関節への注射は効果があるの?」と質問をされることは多くないだろうか? また、肩関節への注射後に肩関節の疼痛が軽減し、可動域が改善する症例がいることも事実である。 そこで、肩関節の注射でよく行われるヒアルロン酸の注射について考えてみたい。 ーヒアルロン酸ー タンパク質と結合して動物結合組織... 2024-04-28
フレイル 口腔機能低下について 2024年度の診療報酬・介護報酬改定において、口腔管理に関する加算が新設されることとなり、より一層この分野におけるニーズが高くなっていくと思われる。 そこで本稿では、口腔機能と口腔機能低下症の概念について、述べさせていただくことにする。 口腔機能とは、『捕食(食べ物を口に取り込むこと)、咀嚼、食塊の形成と移送、嚥下、構... 2024-04-17