理学療法評価 肩関節の筋皮神経障害 筋皮神経障害は、肩関節や上腕の機能に影響を及ぼす神経障害のひとつであり、特にスポーツや外傷による肩関節周囲炎に伴って発生することが多い。 筋皮神経は腕神経叢の外側神経束から分岐し、主に上腕二頭筋、上腕筋、烏口腕筋の運動を支配するとともに、前腕外側の感覚も担っている。この神経が障害を受けると、肩関節の運動制限や筋力低下、... 2025-02-27
解剖学 足関節背屈可動域制限を改善するポイントは底屈を出していくこと...?! はじめに 足関節背屈制限は、特に脳卒中後の患者によく見られる問題の一つである。 しかし、ストレッチや拮抗筋の収縮を取り入れても、なかなか改善しないことも多い。 背屈方向へストレッチを行っても可動域が変わらない、あるいは背屈の自動運動を試みても適切な収縮が得られないといったケースは珍しくない。 このような場合、腓骨筋群の... 2025-01-29
理学療法評価 腰部脊柱管狭窄症の術後後遺症 腰部脊柱管狭窄症の手術後に、下肢のしびれや筋力低下が残存する症例がいる。 そのような患者は、「手術をしたのによくならなかった」「手術は失敗したのではないか?」と不満を漏らす人が多い。 しかし、腰部脊柱管狭窄症の手術後に現れる後遺症は、珍しいものではない。 手術前に長期間にわたって神経症状がある場合、圧迫された神経の損傷... 2025-01-29
筋力トレーニング 協調性運動について 協調性運動とは、『合目的的かつ円滑に行われる運動』である。すなわち、ある課題を実行するときに、身体内の複数の要素を適切にコントロールし、効率的に遂行することである。 一般的に運動の発現は、①運動の欲求・動機の形成にはじまり、②運動戦略の形成、③運動プログラムの形成、④運動の実行といったシークエンスとなる。 ①は、大脳辺... 2025-01-29
疼痛 肩関節の滑液包炎の評価と介入 肩関節周囲炎の主たる原因の一つとして滑液包炎がある。 特に、肩峰下滑液包炎と三角筋下滑液包炎が問題となることが多い(図1)。 一般的に滑液包は機械ストレスが増加することにより損傷し、その結果、滑液包が腫脹することにより、疼痛が生じる。 肩峰下における肩峰と上腕骨の衝突による肩峰下滑液包炎、三角筋の過用による三角筋下滑... 2024-11-30
筋力トレーニング 中殿筋をトレーニングする前に機能解剖を知ろう! 中殿筋の解剖学と臨床的重要性 中殿筋は、トレンデレンブルグ徴候や膝の内反変形、痛みとの関連が指摘されている筋肉であり、注目される部位の一つである。特に膝変形性関節症(OA)や股関節疾患において重要性が高い。 教科書的な中殿筋の位置は殿部の真横にあるイメージであるが、実際には後方まで広がりを持つ。 このため、一般的な中殿... 2024-11-30
疼痛 膝関節の屈曲制限因子を考える 中高年者になると膝関節屈曲制限を生じる人は多い。 膝関節屈曲制限は立ち上がり、階段昇降だけでなく、正座、自転車などの動作にも悪影響を与え、日常生活や仕事の質を低下させることが多い。 正座や自転車等の動作では膝関節屈曲角度は130°以上必要となり、正常可動域以上の可動性が必要となる。 中高年者になれば関節可動域の制限が生... 2024-10-31
動作分析 多裂筋の機能を高めるために考えなければならないこととは? 腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、腰痛をはじめ、円背を呈する高齢者にも多裂筋の機能は重要である。 だが、効果的に多裂筋はどうやったら働くのだろうか? ただ体幹を伸展や回旋させれば働くのか? 大腿四頭筋や三角筋のように大きな筋肉で、可動性も大きい関節に働く筋肉ではないので、そのように単純にはいかないと筆者は考える。 今回... 2024-10-20
疼痛 高齢者に好発する膝関節の水腫 加齢に伴い全身の関節機能が低下するが、特に膝関節の機能障害は高齢者に好発する問題である。 膝関節の機能障害を助長する問題として関節水腫がある。 関節全体は関節包に覆っており、その内部を関節腔と言う(図1)。 関節腔には少量の関節液が入っており、関節液は正常であれば淡黄色透明である。 関節液には骨表面の摩擦を減らすこ... 2024-08-31
解剖学 バランスが悪いを考えてみる はじめに バランス能力の低下は、ADLのレベルを上げるために非常に重要な問題である。バランス能力の低下を引き起こす要因には様々なものがあるため、それぞれの問題に対して適切に評価を行い、適切に介入しないとADLの改善は難しい。私もよく同様の問題に直面したが、何となく歩行練習やタンデム歩行、片脚立位練習を繰り返すだけになっ... 2024-07-31