解剖学 肩関節周囲炎の好発部位である腱板疎部について 肩関節周囲炎や肩関節外傷が生じた場合、疼痛の原因となる好発部位に腱板疎部がある。 腱板疎部とは烏口上腕靱帯や上関節上腕靱帯などから構成される空間で腱板が被覆していないのが特徴である(図1)。 腱板疎部には肩関節の前方関節包や関節上腕靭帯が存在している。 投球動作などの肩関節の急激な外旋動作や、加齢に伴う前方関節包や関節... 2023-06-01
解剖学 烏口上腕靭帯について 肩関節周囲炎や肩関節の術後などでは、肩関節外旋可動域制限が必発する。 肩関節外旋可動域制限は肩関節外転を阻害し、更衣動作などを著しく阻害する。 そのため、臨床では肩関節外旋可動域制限の改善は極めて重要である。 肩関節外旋制限の要因は以下のようなものが考えられる。 ●1stポジション ・靭帯 烏口上腕靭帯 上関節上腕靭帯... 2023-04-30
疼痛 変形性股関節症の鼠径部の痛み 変形性股関節症の患者では大腿骨頭が前方へ偏位していることが多い。 これは大腿骨頭と臼蓋の不安性を代償するために、股関節内旋、屈曲させ、臼蓋と大腿骨の被覆を高めた結果、大殿筋や梨状筋の緊張が増加し、股関節内旋時に大腿骨頭が前方に押し出されるためである。 大腿骨頭が前方に変位すると、前方に位置する関節包・腸骨大腿靭帯・恥骨... 2023-03-26
解剖学 関節の構造と機能 運動器疾患に関わる理学療法士や作業療法士、柔道整復師などに知っておいていただきたい関節の機能解剖についてまとめた(表)。 関節可動域(Range of motion:ROM)の制限因子を考える際やROM練習を実施する際の参考にしていただければと思う。 関節は、骨(関節面)、関節軟骨、関節靭帯、関節包などから構成されてい... 2023-03-01
転倒 方向転換動作の基礎知識 方向転換動作にどのような可動域、筋活動等が必要であるかご存知だろうか? 歩行は養成校でも習うが、方向転換動作は習わない事も多いかと思う。 今回はそんな方向転換動作の基礎知識について述べていく。 ❶方向転換動作と転倒 高齢者では方向転換の動きが制限されてくる。 上記のスライドでも記しているように、日常生活の転倒発生因子と... 2023-01-30
運動学 純粋な股関節屈曲とは?? 日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会の定める股関節屈曲の参考可動域は125°と表記されている。 しかし、解剖学的に股関節屈曲をみると、実は屈曲90°付近で大腿骨頚部と寛骨臼の臼蓋が衝突する。 すなわち、骨の構造上それ以上の屈曲は困難であるため、純粋な股関節屈曲は90°までである。 それでは、股関節屈曲90°以... 2021-08-30
運動学 骨盤大腿リズムについて 鍼灸師・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師の方々の臨床において、股関節疾患を担当することは多いのではないだろうか。 今回は”股関節の構造的な特徴”と骨盤大腿リズムについて述べる。 股関節の構造的な特徴 股関節は、上の図のように骨盤と大腿骨からなる関節である。正確に述べると、寛骨臼と大腿骨頭で構成される臼状関節であり... 2021-04-21
運動学 半月板について 鍼灸師・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師の方々の臨床において、膝関節疾患を担当することは多いのではないのだろうか。 今回は膝関節の中でも“半月板”の機能について述べていきたい。 半月板はなぜ存在するのか? 膝関節は大腿骨顆部が球状であるのに対し、脛骨関節面が平坦であるため、十分な適合性が得られておらず、これを補う... 2021-03-11
運動学 膝関節の特徴 鍼灸師・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師の方々の日々の臨床において膝関節に対しアプローチをすることは多いのではないだろうか。 今回は膝関節とはどのような関節であるのか?について述べていきたいと思う。 では早速膝関節の特徴について述べていきたいと思う。 股関節と足関節の間にある関節 構造的に回旋可動域に乏しい 構... 2021-02-01
運動学 リスフラン関節 解剖学と運動学の基礎 鍼灸師・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師の方々の日々の臨床において解剖学・運動学を理解し臨床での評価・治療に応用できているだろうか。 今回は足関節に対してアプローチを行う際に必須の知識であると考える足根中足関節(リフスラン関節)の構造と運動学について述べる。 5つのリスフラン関節(足根中足関節)は、楔状骨と立方骨の... 2021-01-13