疼痛 高齢者に好発する膝関節の水腫 加齢に伴い全身の関節機能が低下するが、特に膝関節の機能障害は高齢者に好発する問題である。 膝関節の機能障害を助長する問題として関節水腫がある。 関節全体は関節包に覆っており、その内部を関節腔と言う(図1)。 関節腔には少量の関節液が入っており、関節液は正常であれば淡黄色透明である。 関節液には骨表面の摩擦を減らすこ... 2024-08-31
疼痛 高齢者を悩ます脊柱管狭窄症とその対処法 脊柱管狭窄症とは、脊柱管が狭くなる整形疾患である。 50歳代から徐々に増え始め、60~70歳代が好発年齢である。 高齢者の10人に1人は腰部脊柱管狭窄症であり、推定患者数は約580万人と言われている。 腰部脊柱管狭窄症は筋膜性腰痛と異なり、症状が多彩でQOLの低下をきたしやすく、高齢者や家族を悩ませる要因になりやすい。... 2024-07-31
疼痛 なるべくシンプルに腰痛について考えてみる 本稿ではなるべくシンプルに腰痛について考えるための捉え方をまとめてみる。 多裂筋が、椎間板が、椎間関節が、カップリングモーションが、など、細かく見ようと思えばどれだけでも細かく見ることはできるが、思考が複雑化しすぎると、目的が曖昧になってしまい、結果あまり良くならないことも多々ある。 なので、まずはなるべく思考をシンプ... 2024-04-29
疼痛 ヒアルロン酸について 肩関節疾患の臨床にて患者より「肩関節への注射は効果があるの?」と質問をされることは多くないだろうか? また、肩関節への注射後に肩関節の疼痛が軽減し、可動域が改善する症例がいることも事実である。 そこで、肩関節の注射でよく行われるヒアルロン酸の注射について考えてみたい。 ーヒアルロン酸ー タンパク質と結合して動物結合組織... 2024-04-28
疼痛 腱板損傷の基礎知識 腱板断裂の評価や治療するにあたり知っておきたい基礎知識を解説する。 ●腱板損傷の概要 腱板の損傷・断裂が生じる基盤には、加齢による腱板の変性がある。 腱板断裂は完全断裂と部分断裂に分類される。 一般的に完全断裂時には手術が推奨され、部分断裂は保存療法が選択されることが多い。 また、40 歳以上では自覚症状に乏しいにも... 2024-03-29
疼痛 リハビリテーション中に痛いと言われた時どう対処するか? 皆様も普段の臨床で運動療法をする機会は多くあると思う。 その時、患者さんから「痛い!」と言われたことはないだろうか? 痛いと言われた時、自信を持って対処することができるだろうか? 昔の私は痛いと言われたら怖くなってしまい、「すみません!じゃあやめておきましょう。」とすぐにその運動は中止してしまっていた。 でも、それが本... 2024-03-29
動作分析 膝OAの運動学から臨床で何を考えるかについて 理学療法ガイドラインに記載されている下肢の運動学的・運動力学的変化の項目から変形性膝関節症(以下膝OA)を考えてみようと思う。 両側膝OAでは健常者の歩行動作と比較して、立脚期の間に明らかに骨盤の前傾、遊脚側への骨盤傾斜、膝関節外反の減少が認められたとされ、重度膝OAでは股関節外転、膝関節伸展、足関節底背屈角度が大きか... 2024-02-01
疼痛 足の痺れについて 臨床では、高齢者から「足にしびれを感じる」という訴えは多い。 リハビリ職種が「足がしびれる」と聞くと短絡的に「椎間板ヘルニア」や「坐骨神経痛」と考えてしまうが、それ以外にも様々な原因がある。 原因①:脊柱管狭窄症 脊柱管の中には脳から続く「神経」が通過しているが、椎間板、椎間関節、黄色靭帯の変形が生じると脊柱管内で神経... 2023-08-30
疼痛 腰痛と農作業 「畑仕事をしすぎて腰が痛いのよ...」 皆様は臨床の中でこう言われたことはないだろうか? 今回は臨床でよく遭遇する"腰痛と農作業"について文献を交えながら述べていく。 腰痛と農作業 福井県JA全国農業協同組合連合会で調査したところ、農業を行っている方の83%が腰痛経験有りと回答した。 また、田植えや稲刈りの時期に腰痛が... 2023-08-30
疼痛 肩石灰沈着性腱炎について 肩関節周囲炎の患者の中には疼痛が強く、運動制限が数か月続く人がいる。 そのような方に多い疾患の一つに肩関節石灰沈着性腱板炎がある。 石灰沈着性腱板炎は40代から50代の女性に好発することが多い。 石灰が沈着する部位は棘上筋がほとんどを占めている。 急性期の患者の特徴として以下のようなものがある。 激しい夜間痛 安静時痛... 2023-07-31