疼痛 腱板損傷の基礎知識 腱板断裂の評価や治療するにあたり知っておきたい基礎知識を解説する。 ●腱板損傷の概要 腱板の損傷・断裂が生じる基盤には、加齢による腱板の変性がある。 腱板断裂は完全断裂と部分断裂に分類される。 一般的に完全断裂時には手術が推奨され、部分断裂は保存療法が選択されることが多い。 また、40 歳以上では自覚症状に乏しいにも... 2024-03-29
疼痛 肩石灰沈着性腱炎について 肩関節周囲炎の患者の中には疼痛が強く、運動制限が数か月続く人がいる。 そのような方に多い疾患の一つに肩関節石灰沈着性腱板炎がある。 石灰沈着性腱板炎は40代から50代の女性に好発することが多い。 石灰が沈着する部位は棘上筋がほとんどを占めている。 急性期の患者の特徴として以下のようなものがある。 激しい夜間痛 安静時痛... 2023-07-31
解剖学 肩関節周囲炎の好発部位である腱板疎部について 肩関節周囲炎や肩関節外傷が生じた場合、疼痛の原因となる好発部位に腱板疎部がある。 腱板疎部とは烏口上腕靱帯や上関節上腕靱帯などから構成される空間で腱板が被覆していないのが特徴である(図1)。 腱板疎部には肩関節の前方関節包や関節上腕靭帯が存在している。 投球動作などの肩関節の急激な外旋動作や、加齢に伴う前方関節包や関節... 2023-06-01
解剖学 烏口上腕靭帯について 肩関節周囲炎や肩関節の術後などでは、肩関節外旋可動域制限が必発する。 肩関節外旋可動域制限は肩関節外転を阻害し、更衣動作などを著しく阻害する。 そのため、臨床では肩関節外旋可動域制限の改善は極めて重要である。 肩関節外旋制限の要因は以下のようなものが考えられる。 ●1stポジション ・靭帯 烏口上腕靭帯 上関節上腕靭帯... 2023-04-30
関節可動域 関節可動域練習の優先度 関節可動域(range of motion、以下ROM)制限に対する治療を考える上で、治療(ROM練習)の優先度について考えてみたい。 ここでは、肩関節におけるROM制限の例を挙げ、病態の特性や運動学的視点、あるいは患者のADL上必要なROM等は一旦考えず、単純に日本整形外科学会が規定する『参考可動域角度』との差および... 2023-04-16
動作分析 変形性股関節症と痛み 変形性股関節症は高齢者に発生する変性疾患の一つである。 変形性股関節症が進行すると疼痛と可動域制限が顕著となる。 特に疼痛はQOLを著しく下げるため、疼痛への対応はリハビリテーションでは重要となる。 変形性股関節症患者の疼痛は股関節可動域制限と関係がある。 ●股関節屈曲制限がある場合 股関節屈曲が20°程度の制限を受け... 2023-01-31
通所介護 闇雲なマッサージ・ストレッチは危険...!! "硬さ"="改善すべきもの" 我々セラピストは「硬さ(筋緊張の亢進)」に対して緩める操作を行うことが多々ある。 言わずもがなこの硬さは厄介で、時に痛みを惹起したり、時には筋出力が低下したり、最終的には他部位への悪影響まで及ぼしてしまうこともある。 そのため、こういった負のスパイラルから抜け出すためにストレッチやマッサー... 2022-12-31
運動学 純粋な股関節屈曲とは?? 日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会の定める股関節屈曲の参考可動域は125°と表記されている。 しかし、解剖学的に股関節屈曲をみると、実は屈曲90°付近で大腿骨頚部と寛骨臼の臼蓋が衝突する。 すなわち、骨の構造上それ以上の屈曲は困難であるため、純粋な股関節屈曲は90°までである。 それでは、股関節屈曲90°以... 2021-08-30
関節可動域 関節拘縮について 鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師の方々の普段の臨床において、可動域制限に対してアプローチすることは多いのではないだろうか? 可動域制限の因子には色々あるが、今回は基礎的な関節の拘縮について科学的に説明していく。 関節を一定期間固定した場合、不動の状態が続くと関節が固まり拘縮が発生する。 では、この現象を科学... 2021-08-26
関節可動域 距腿関節の解剖学・運動学 鍼灸師・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師の方々の臨床において、下肢疾患を呈している患者様を担当した際、足関節背屈可動域制限に対してアプローチすることは多いのではないのだろうか。 今回は足関節背屈・底屈の評価・治療を行う際に必要な距腿関節の関節構造と運動学について述べる。 ・関節の構造 距腿関節は内果と外果、脛骨の... 2020-11-16