リスク管理 胸水が溜まる原因とリハビリ上のリスク管理 胸水とは、肺を覆う臓側胸膜と胸壁側の壁側胸膜の間にある胸腔内に液体が異常に貯留する状態を指す(図1)。 正常でも少量の胸水は存在し、肺の滑らかな動きを助ける役割を果たしているが、過剰に貯留することで肺の膨張が妨げられ、呼吸困難や胸部圧迫感などの症状を引き起こす。 リハビリテーションを実施する上で、この胸水の病態生理と原... 2025-05-27
内科疾患 洞頻脈について 洞頻脈(sinus tachycardia)(図)は、洞結節が歩調とり(ペースメーカー)となっている洞調律が、交感神経の亢進や自動能の亢進によってHR>100bpmになった状態である。 ちなみに、臨床では洞頻脈のことを「サイナスタキ」と略して言うことが多い。 運動によってみられる洞頻脈は、運動による骨格筋の酸素需要... 2025-05-26
内科疾患 2025年改訂版 心不全診療ガイドライン 先日(2025年3月末)、『2025年改訂版 心不全診療ガイドライン1)』(https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2025/03/JCS2025_Kato.pdf)が発表された。 本ガイドラインの主な改訂点をいくつか紹介する。 ・旧版では『急性・慢性心不全診療ガ... 2025-04-30
リスク管理 がんになるとなぜ痩せるのか? がんを患うと、多くの患者が体重減少を経験する。 この現象は「がん悪液質(あくえきしつ)」と呼ばれ、単なる栄養不足ではなく、がん細胞による代謝の異常が主な原因である。 本記事では、がんによる体重減少のメカニズムについて解説する。 がん細胞のエネルギー消費 がん細胞は正常な細胞と比較して活発に増殖するため、大量のエネルギー... 2025-03-31
リスク管理 糖尿病足病変とは...? 糖尿病足病変とは、「神経障害や末梢動脈疾患と関連して、糖尿病患者の下肢に生じる感染、潰瘍、足組織の破壊性病変」と定義されている1)。 糖尿病足病変は、糖尿病神経障害による感覚鈍麻(感覚神経障害)、足の変形(運動神経障害)、皮膚の乾燥・角化(自律神経障害)と、末梢動脈疾患による血流低下(下肢動脈疾患、lower extr... 2025-03-31
リスク管理 運動負荷心電図について 運動負荷心電図検査は慢性冠動脈疾患において、虚血性心疾患の診療に用いられている。 その臨床上の目的は、冠動脈狭窄の評価・診断(狭心症の有無)や心筋梗塞後の心筋虚血の評価、冠動脈疾患の重症度の評価、予後予測の評価、冠動脈血行再建術の適応の評価、治療効果の判定、冠攣縮の誘発などである。 このうち最も重要なものは、冠動脈狭窄... 2025-02-27
リスク管理 モニター心電図の電極貼付位置の特徴 本稿は、モニター心電図における電極の貼付位置の特徴について解説させていただく。 モニター心電図は読者の皆さんもご存知のように、12誘導心電図と比較し電極の数が少なく簡易的に不整脈を評価・検出することができる。 また、入院中の病棟であれば必要に応じて、入浴時以外はモニター心電図で管理したり、心臓リハビリであればリハビリ時... 2024-12-30
リスク管理 モニター心電図の基本 モニター心電図は、『不整脈』を評価・検出することができ、リスク管理をする上で欠かせないツールである。 したがって、患者の状態が変化しやすい様々な疾患の(超)急性期や心臓リハビリテーション等の場面で多用されている。 ここでひとつ断っておくが、モニター心電図はあくまで『不整脈』を評価するために使用するものであり、心筋梗塞や... 2024-11-30
リスク管理 肝疾患の動向と病名変更 本年度の診療報酬改定において、肝臓リハビリテーションの加算について検討されていたようであるが、結果的には見送られることとなった。 しかし、その必要性については粛々と高まっているように感じる。 そこで本稿では、近年の肝疾患の動向や最新の病名変更などについてまとめてみたい。 近年、肝硬変や肝がんの原因疾患として多くの割合を... 2024-10-31
リスク管理 運動耐容能の評価(身体活動能力質問表) 筆者は心臓リハビリテーション(以下、心リハ)に従事しているため、心疾患患者における運動耐容能の評価は極めて重要であると考えている。 さらに言うなら、心疾患患者だけでなく(疾患にこだわることなく)すべてのリハビリ対象者の運動耐容能を把握することが重要であると言い切っていいと考えている。 運動耐容能は生命予後と関連すること... 2024-09-25