心房細動について

心房細動(atrial fibrillation:AF)は、高齢者を対象とした臨床場面で最もよく遭遇する不整脈であろう。

持続性の不整脈としては、不整脈の中で最も多く、絶対性不整脈ともいわれる。

本邦におけるAF患者数は、約90100万人と推定されており、その有病率は年齢とともに上昇することで知られる。

AFの診断は、心電図の波形でなされる。

すなわち、RR間隔の不整およびP波が不明となり、基線が一定せず不規則に上下に細かく揺れる波(fibrillation波:F波)がみられるのが特徴である(図1)。

そのため、検脈をすると脈が一定しないため、リズムがバラバラに触れる。

 AFの分類は、『病期による分類』、『症状による分類』などがあるが、本稿では『病期による分類』について紹介する(表1)。

AFの合併症としては、脳梗塞、心不全、認知機能低下、生命予後、QOL低下などがある。

脳梗塞は、AFによって心房内に血栓が形成され、それが剥がれ脳動脈で閉塞を起こすことで心原性脳塞栓症を発症する。

心不全は、AFは心拍出量を約2030%低下させるといわれている。そのため、特に発作性AFによる頻脈では心不全を発症する危険性がある。

認知機能低下と脳血流量低下には関連があり、AFは脳血流量を低下させることで知られる。

そのため、AFでは脳血流量低下によって認知機能低下を起こすことになる。

以上のような疾患とAFの関係から、生命予後やQOL低下にも関連する。

投稿者
井上拓也

・理学療法士
・循環認定理学療法士
・3学会合同呼吸療法認定士
・心臓リハビリテーション指導士
・サルコペニア・フレイル指導士

理学療法士免許を取得後、総合病院にて運動器疾患や中枢神経疾患、訪問リハビリテーション等に関わってきました。すべての患者さんのために、障害された機能の改善やADLの向上に励んできました。特に運動器疾患においては、痛みの改善や関節可動域の改善、筋力向上を目的とした理学療法にて、患者さんのADLの向上を図ってきました。

今までの経験を活かして、皆様のお役に立てるように励んで参ります。

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