"転倒"についてこれだけは知っておきたい基礎の基礎

高齢者にとって転倒は、一般的な現象であり、しばしば深刻な結果を招くことがある。

これには、怪我、機能低下、生活の質の低下、そして死につながる可能性がある。

転倒のリスクは、多くの要素によって影響を受ける。

これらの要素は身体的特性、心理的要素、薬物の使用、そして生活環境といった多面的な要素から成り立っている。

具体的には、転倒リスクは以下の要素と関連している。

  1. 身体的要因:視覚や聴覚の問題、筋力の低下、歩行の問題、神経学的疾患、心臓疾患、脱力感、バランスの問題、薬物の副作用などが含まれる。これらの要素は、運動能力と身体の安定性に影響を与え、転倒リスクを高める。
  2. 心理的要因:転倒への恐怖、うつ症状、不安症状が転倒リスクを増加させる可能性がある。これらの要素は、行動の制限や運動能力の低下を引き起こし、結果的に転倒リスクを高める。
  3. 生活環境:不適切な家具の配置、照明の問題、滑りやすい床、障害物が転倒を引き起こす可能性がある。これらの要素は、移動の際の障害や視覚的な問題を引き起こし、転倒リスクを高める。

これらの要素を理解することは、転倒リスクの評価と介入策の提案において不可欠である。

これらの要素を考慮に入れ、高齢者が安全に日常生活を送ることができるように支援する役割を果たす。

しかし、すべての高齢者が同じリスク要因を抱えているわけではない。

したがって、個々の高齢者の転倒リスクを評価する際には、その人特有の状況とニーズを考慮に入れることが重要である。

また、転倒リスクを減らすための介入策は、それぞれの高齢者の特定のリスク要因に対応するように個別に計画する必要がある。

これには、適切な運動プログラムの導入、薬物の再評価、家庭環境の改善、そして必要に応じて心理的なサポートが含まれる。

具体的には、運動プログラムは筋力の向上やバランス能力の向上を目指し、薬物の再評価は副作用の抑制や適切な用量の確認を目指す。

家庭環境の改善は転倒の物理的な原因を除去し、心理的なサポートは転倒への恐怖や不安を和らげることを目指す。

高齢者の転倒リスクを理解し、適切な評価と介入を行うことは、彼らが自立した生活を続け、生活の質を向上させる上で重要である。

我々リハビリテーション職種はこの過程で中心的な役割を果たし、彼らの専門的な知識とスキルを活用して高齢者をサポートする必要がある。

投稿者
堀田一希

・理学療法士

理学療法士免許取得後、関西の整形外科リハビリテーションクリニックへ勤務し、その後介護分野でのリハビリテーションに興味を持ち、宮﨑県のデイサービスに転職する。
「介護施設をアミューズメントパークにする」というビジョンを掲げている介護施設にて、日々、効果あるリハビリテーションをいかに楽しく、利用者が能動的に行っていただけるかを考えながら臨床を行っている。
また、転倒予防に関しても興味があり、私自身臨床において身体機能だけでなく、認知機能、精神機能についてもアプローチを行う必要が大いにあると考えている。そのために他職種との連携を図りながら転倒のリスクを限りなく減らせるよう日々臨床に取り組んでいる。

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