リスフラン関節 解剖学と運動学の基礎

鍼灸師・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師の方々の日々の臨床において解剖学・運動学を理解し臨床での評価・治療に応用できているだろうか。 

今回は足関節に対してアプローチを行う際に必須の知識であると考える足根中足関節(リフスラン関節)の構造と運動学について述べる。

5つのリスフラン関節(足根中足関節)は、楔状骨と立方骨の遠位関節面と中足骨近位関節面により構成される。

詳しくは、第1中足骨は内側楔状骨と、第2中足骨は中間楔状骨と、第3中足骨は外側楔状骨と連結している。第4と第5中足骨底は立方骨の遠位面と連結している。

 

リフスラン関節の関節面は本質的に平坦である。5つのリスフラン関節の中で第1リスフラン関節だけがよく発達した関節包を有する。

 

次に運動学について述べる。 

・リスフラン関節の可動性

リスフラン関節の動きとしては底背屈運動と第3リスフラン関節を中心に回旋運動が生じる。

 前足部を背屈―底屈、また回内(背屈-外返し-外転)・回外(底屈-内返し-内転)させた場合の各リスフラン関節の可動性についてまとめた表を下記の図に示す。

背屈―底屈、回内―回外両者の運動おいて第1〜第3リスフラン関節と比較し、第4・5リスフラン関節の可動性は大きい。

歩行中の足底圧の変化としては踵から小趾側に流れていき、母趾側に帰ってくる。

その点から考えると、この第4、5リスフラン関節の可動性というのは重要になってくるのではないかと考える。

 

また歩行の際では第1リスフラン関節の可動性も重要となる。

歩行における第1リスフラン関節の動きのほとんどが矢状面での底背屈運動である。

足関節背屈が要求される立脚中期までに約5°の背屈が生じるとされており、可動域制限が生じてしまうと前足部の運動の制限と足部の内側縦アーチの降下を妨げる要因となる。

 

最後に第1リスフラン関節、第5リスフラン関節の動かし方について述べる。

・第1リスフラン関節

右手で楔状骨を把持して左手で中足骨頭の部分を把持する。そしてなるべく底背屈中間位のところで動かす。

・第5リスフラン関節

左手で立方骨のところに指をかけて中足部を把持する。そして右手で第5中足骨頭の部分を把持して動かす。

 このように正しく関節運動を動かすことは評価、治療する上では非常に重要となる。

 

投稿者
堀田一希

・理学療法士
理学療法士免許取得後、整形外科クリニックにて運動器疾患を中心に携わっています。
臨床では多くの患者さんの主訴が"痛み"であり、痛みを改善するために理学療法士としての基礎である解剖学・生理学・運動学を中心に評価・治療を行なっています。
今までの経験を活かして、皆様のお役に立てるように励んで参ります。

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