ショパール関節の構造と運動学

鍼灸師・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師の方々の臨床において、下肢疾患を呈している患者様を担当した際、足関節に対してアプローチを行うことは多いのではないだろうか。 

今回は足関節に対してアプローチを行う際には必須の知識であると考える足根関節(ショパール関節の構造と運動学について述べる。

横足根関節は距骨下関節との間の強い機能的な関連を持つ。

横足根関節は距舟関節と踵立方関節の2つの関節からなり、足根中央関節あるいはショパール関節として知られている。

 この2つの関節は機能上関係しているが解剖学的には区別される。

複合関節としての横足根関節は、内側縦アーチ、靭帯、関節包、筋によって安定する。

距舟関節と踵立方関節について少し詳しく述べる。

 ・距舟関節について

距舟関節は、距骨頭の凸面と、舟状骨の近位と底側踵舟靭帯(バネ靭帯)の背面からなる連続したくぼみとの間の関節である。

 ・踵立方関節について

踵立方関節は、横足根関節の外側部を構成する要素であり、踵骨の前(遠位)面と立方骨の近位面との連結によって形成されている。

この関節は比較的柔軟性に乏しい関節である。

 次に運動学について述べる。

横足根関節は、距骨下関節のような隣接した関節での運動が生じない限り、ほとんど動くことはない。

横足根関節において生じる主な運動は回内と回外であり、これらの動きを確認するためにには踵骨をしっかりと把持した状態で中足部を最大回内、回外する事で確認を行う事が出来る。

また、足部全体の回内と回外の動きは距骨下関節と横足根関節の動きによって生じる。 

横足根関節の運動軸は縦軸(外返し・外転、内返し・内転)と斜軸(背屈・外転、底屈・内転)の二つ存在する。 

縦軸は15°程度上方に傾いており、9°程度内側に傾いている。

 

斜軸は足底面に対して52°上方に傾いていて、水平面では57°内側に傾いている。

この縦軸と斜軸、両方の軸に関して起こる動きによって地面の凹凸などに適応する中足部を作っている。

・ショパール関節の動かし方について

距舟関節の動かし方は左手で踵骨を把持し、右手は人差し指で立方骨に指をかけるイメージ、親指で舟状骨粗面あたりを支えている状態にする。

そして踵骨をしっかりと固定し、親指側をグッと下方に下げていく。

 

 

投稿者
堀田一希

・理学療法士
理学療法士免許取得後、整形外科クリニックにて運動器疾患を中心に携わっています。
臨床では多くの患者さんの主訴が"痛み"であり、痛みを改善するために理学療法士としての基礎である解剖学・生理学・運動学を中心に評価・治療を行なっています。
今までの経験を活かして、皆様のお役に立てるように励んで参ります。

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