食べる意義って何だろう?

鍼灸師・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師の方は「高齢者の食」について学ぶ機会は少なかったと思う。

実際、養成校時代や実習においても摂食嚥下障害や食について学ぶ機会は少ないだろう。

しかし、高齢者ケアやリハビリの現場では食事の問題は非常に多いものである。

リハビリテーション医療では、「摂食嚥下機能」ばかりに目を向け「飲み込めるか、否か」ばかりに注目ししているが、生活の質を考える上では「食べる」という行為の全般を考えることが重要である。

「食べる」ということは、「口腔から胃に食物を送り、生命の維持を図るという意味」だけでなく、食べる行為に付随する社会的な楽しみの要素を持つものである。

つまり、摂食嚥下障害等により食事の実用性が低下している状態は、「料理の味や食事の雰囲気を楽しむこと」や「友人や家族と会食をして会話を楽しむ」などの社会的な楽しみも喪失していると言える。

リハビリテーションが「全人間的復権」と言う意味で考えると、食事動作を大きく阻害する「摂食嚥下障害」への評価や治療の重要性は高いと言える。

摂食・嚥下や食事動作はまぎれもなく、「運動」であり、運動の改善が食事の質をつながる。

したがって、摂食・嚥下・食事動作の正常運動を正しく学ぶことで、食の支援を行うことができるのである。

鍼灸師・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師のみならず、理学療法士・作業療法士・看護師の中にも食の支援に苦手意識を持つ人が多いが、しっかりとした解剖学・生理学・運動学を学ぶことで誰でも食の支援はできる。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
茂澤メディカルクリニック
たでいけ至福の園
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授

過去に3つの鍼灸院の経営や運営に携わり、鍼灸師によるリハビリテーションサービスを展開していた。また、デーサービスも立ち上げ、鍼灸師・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師による機能訓練やリハビリテーションを利用者に提供していた。鍼灸師・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師の方々への教育や指導経験が豊富である。現在も、全国各地でリハビリテーションに関するセミナー講師として活動している。

 

 

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