
呼吸とは何か?
この疑問を考えたことはあるだろうか。
リハビリテーションに携わる職種の多くの方が、運動器疾患、脳血管障害のリハビリテーションに関わっているため、筋肉、関節、神経などの知識は豊富であるが呼吸となるとあまり詳しくない方が多いのではないだろうか?
呼吸とは
生命を維持するために生体エネルギーを回転させていたくための仕組み
であると言える。
厳密に言うと呼吸は二種類に分類される。
呼吸は外呼吸・内呼吸の2種類である!
外呼吸
肺から大気中の酸素を血液に取り込み、また、血液によって運ばれた二酸化炭素を肺から排出するプロセスである。
肺そのものの病気や換気障害が生じると外呼吸の機能は著しく低下する。
例 肺がん・肺気腫・肺水腫・肺炎
内呼吸
肺胞で酸素を受け取った血液によって酸素が心臓,肝臓,腎臓,筋肉などの組織に運ばれ、細胞の代謝反応により,二酸化炭素を生じるプロセスである。
特に、筋肉における有酸素性代謝が重要となり、有酸素性代謝の能力が低下していると内呼吸が不十分となり持久力の低下が生じる。
例 筋力低下・筋委縮による有酸素性代謝の低下
呼吸器リハビリテーションという言葉を聞くと、漠然と「呼吸機能を高めること」と理解している人が多いが、外呼吸機能・内呼吸機能の評価と治療であると理解することをお勧めする。
シンプルに肺疾患や気管支疾患を有している人であれば外呼吸機能、栄養障害や長期臥床により筋力低下、筋委縮が生じている人であれば内呼吸機能を対象としたリハビリテーションを展開する必要がある。
もちろん、肺疾患や筋委縮の両方が生じている人には外呼吸機能、内呼吸機能の両方のリハビリテーションが必要となる。
つまり、呼吸リハビリテーションを提供するためにまず初めにしなければならないことは、クライアントがどのような病気や状態にあるのか?ということを把握・理解することである。
どのような疾患であるのか?
疾患から生じる機能障害はどんなものか?
筋委縮はどの程度なのか?
などのスクリーニングが重要となる。
投稿者
高木綾一
株式会社WorkShift 代表取締役
あずま整形外科リハビリテーションクリニック
茂澤メディカルクリニック
たでいけ至福の園
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授
過去に3つの鍼灸院の経営や運営に携わり、鍼灸師によるリハビリテーションサービスを展開していた。また、デーサービスも立ち上げ、鍼灸師・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師による機能訓練やリハビリテーションを利用者に提供していた。鍼灸師・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師の方々への教育や指導経験が豊富である。現在も、全国各地でリハビリテーションに関するセミナー講師として活動している。