基本動作の改善は応用動作の改善に大きく影響する

買い物が上手くできない
犬の散歩ができない
調理ができない
服の着脱ができない
お風呂の出入りができない
などは多くの要介護状態の方が抱えている生活課題であり、鍼灸師・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師の皆さんもこれらの問題に対して対応しているだろう。

これらの動作は、応用的動作と呼ばれるものである。

動作は代別すると、基本的動作と応用的動作に分類される。

基本的動作能力
寝返る・起き上がる・座る・立ち上がる・立つ・歩くなどで運動・感覚・認知・呼吸循環機能が必要となる能力

応用的動作能力
食事・トイレ・家事などの日常生活を行うために必要となる能力

リハビリテーションにおいてこれらの動作は全く異なるものと理解されていることが多いが実は基本的動作能力の改善なくして、応用的動作能力の改善は難しい。

買い物の動作を考えてみよう。

買い物は歩きながら、そして、時には立ち止まりながら商品を手に取り、買い物かごを持ち運ぶ動作となる。

つまり、歩行や立位という動作がある程度安定的に行うことが出来なければ買い物という動作は難しくなる。

歩行や立位には必ず姿勢制御が必要となる。

身体重心や足底圧中心を調整することで人は転倒を防いでいる。

買い物でふらついたり、こけることを気にして買い物に集中できない状況は、買い物をしているとは言えない。

つまり、質の高い立位や歩行が獲得されてこそ買い物動作は実用的なものとなってくる。

鍼灸師・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師の方が、応用的動作能力の低下が課題の利用者に対して評価や治療を行う時は、応用的動作を阻害してる基本的動作を評価することをお勧めする。

確かに、福祉用具や杖などを使えば、応用的動作は物的介助により可能となることが多いが、より質の高く、効率の良い応用的動作を身に付けるためには基本的動作の獲得は必須といえる。

投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
あずま整形外科リハビリテーションクリニック
茂澤メディカルクリニック
たでいけ至福の園
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)(脳卒中)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授

鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師向けセミナー

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